マリア様がみてる

マリア様がみてる 1 (コバルト文庫)

マリア様がみてる 1 (コバルト文庫)

☆あらすじ
 私立リリアン女学園に通う福沢祐巳は平凡な一年生。ひょんなことから憧れの二年生、小笠原祥子の「妹」に指名されてしまう。平凡な自分がどうして祥子さまの「妹」に?!と驚き戸惑う祐巳に、祥子の「妹」を断るか、学芸会で「シンデレラ」を演じるかの二択を迫る生徒会。生徒会に馴染み、祥子の「妹」らしく振舞えるようになった祐巳たちの前に、「王子様」役で隣の花寺学院の生徒会長、柏木が現れる。祥子の従兄であり婚約者でもある柏木は、実は祥子が心を寄せる相手だった。

☆特徴
 なんといっても「姉妹」というシステムが特異。このシステムだけで話が成り立っているのが凄い。あとは中途半端な「上品」「優雅」のイメージがちりばめられているのがお手軽。男女間の恋愛よりも、女性同士の友情(?←ここで「?」がつきつつ、別の表現が出てこないのもこの作品の特異性であると言える)が重点的に描かれるのが面白いです。

☆感想
 山崎豊子作品みたいな下衆い背景が「日本のお上品な世界」にあるってことを想いながら読むと大変に感慨深い作品ではある。